水害・ハザードマップ
ハザードマップの想定最大規模は何年に1度?30年以内の確率を計算
更新 2026年10月21日
1/1000の雨が、自分の家のある川で起きる確率
毎年
0.1%
1/1000
30年以内
約3.0%
70年以内
約6.8%
当サイトの計算(概算)。想定最大規模の目安は年超過確率1/1000程度(国土交通省の手引き)
洪水ハザードマップの凡例にある「想定最大規模」は、国土交通省の手引きで年超過確率1/1000程度の降雨を目安にしています。「1000年に1度」と書かれることもありますが、1,000年ごとに必ず1回という意味ではありません。 毎年の発生確率が0.1%ということで、30年以内に起きる確率は1−(1−1/1000)の30乗=約3.0%です。住宅ローンの返済期間と同じ35年なら約3.4%になります。
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1/80〜1/1000の雨が起きる確率の早見表
| 年超過確率 | 毎年の確率 | 10年以内 | 30年以内 | 70年以内 |
|---|---|---|---|---|
| 1/80 | 1.25% | 11.8% | 31.4% | 58.5% |
| 1/100 | 1.0% | 9.6% | 26.0% | 50.5% |
| 1/150 | 0.67% | 6.5% | 18.2% | 37.4% |
| 1/200 | 0.5% | 4.9% | 14.0% | 29.6% |
| 1/1000(想定最大規模の目安) | 0.1% | 1.0% | 3.0% | 6.8% |
当サイトの計算です。毎年の確率を p として、n年以内に1回以上起きる確率を 1−(1−p)のn乗で出し、小数第2位を四捨五入しました。年ごとの雨は独立で、気候の変化は考えない単純な仮定です。1/80〜1/200は国土交通省のマニュアルが中頻度(100年に1回程度)の目安として挙げる幅、1/150は信濃川下流の計画規模の例です。
表を縦に読むと、同じ70年でも1/100は50.5%、1/1000は6.8%と差があります。ただし6.8%は「ゼロ」ではありません。住んでいる川で想定最大規模の雨が起きれば、ハザードマップの最も深い色が実際の浸水深になります。確率が低いから無視するのではなく、深さに合わせて逃げる階と時間を決めておく、という使い方になります。
計画規模と想定最大規模の違い
| 計画規模 | 想定最大規模 | |
|---|---|---|
| 何の雨か | 河川整備基本方針で、目標とする流量(基本高水流量)を決めたときの降雨 | 水防法第14条第1項の、想定し得る最大規模の降雨(計画規模を上回る) |
| 年超過確率の目安 | 河川ごとに異なる(信濃川下流の例は1/150) | 1/1000程度 |
| 浸水想定区域の前提になったのは | 2015年の水防法改正より前 | 2015年(平成27年)の水防法改正から |
国土交通省「洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第4版)」と、地方整備局の資料から。個別の河川の数値は、管理する河川事務所や自治体のハザードマップで確認してください。
淀川の例では、各地域で観測された最大の降雨量から計算した値が1/1000程度の降雨量(24時間で360mm)を下回る場合は、1/1000程度の降雨量を想定最大規模として使うと説明されています。つまり想定最大規模は、1/1000の雨量と、観測された最大の雨量のうち大きいほうです。 一方で、想定最大規模は発生頻度が非常に小さいので、マニュアルは頻度の高い雨(100年に1回程度)での浸水想定も合わせて示すことが望ましいとしています。自治体のサイトに図が2枚ある場合は、この2つです。
浸水深から、逃げる階を決める
確率の次に見るのは深さです。想定最大規模の図で「3.0〜5.0m」の色に入っているなら、1階の床が地面から50cmの2階建てでは1階が天井まで水没します。自宅の階数と浸水深を入れて、2階の床まで何cmの余裕があるかを確認してください。
この条件だと
1階が天井近くまで浸水
建物の中に安全な高さがありません。水平避難(立ち退き)が必要です
避難情報が出る前、明るいうちに親戚・知人の家か指定避難所へ移動する計画を先に決めておいてください。
上の階へ上げるもの
- 冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなど1階の家電
- 通帳・印鑑・保険証券・パスポートなどの書類
- 思い出の品(写真・アルバム)。濡れると復元できません
- ポータブル電源・モバイルバッテリー
動かせないので、事前に手を打つもの
- エアコン室外機・給湯器(据付なので事前の嵩上げか、業者への相談)
- 分電盤・コンセント(浸かると復旧に電気工事が要ります)
車
水深30cmでマフラーが浸かってエンジンが止まり、ドアも開きにくくなります。動かすなら雨が強まる前です。
計算の根拠
- 想定浸水深は国土交通省「ハザードマップポータルサイト」の凡例に合わせています。自宅の値はお住まいの自治体のマップで確認してください。
- 1層あたりの高さは3mとして計算しています。実際の建物で変わります。
- 垂直避難の可否は、想定浸水深に安全余裕1mを足した高さが居室の床を超えるかで判定しています。
- 車の数値(30cmでエンジン停止、50cmで浮き始める)は一般的な乗用車の目安です。
- このツールは避難の判断そのものを代わりに行うものではありません。自治体の避難情報と現場の状況が最優先です。
確率の数字を、備える量に変えるとき見る点は3つ
- 想定最大規模の浸水深。上の階へ逃げる「垂直避難」で足りるか、床上の高さが足りず避難所へ向かうかの分かれ目です。
- 計画規模の浸水深。頻度が高い雨では、1階の床上浸水にとどまることがあります。家具を上げる高さや、止水板の高さを決める数字になります。
- 浸水が続く時間。ハザードマップに浸水継続時間が載っている地域では、上の階で過ごす日数ぶんの水・食料・携帯トイレを数えます。
「30年で3%」を低いと見ない理由
3.0%は100回に3回です。1/1000の雨は川ごとに計算されている数字で、30年のあいだに必ず起きるものではありません。 一方で、頻度の高い1/100の雨なら30年で26.0%、70年で50.5%と、住み続ける期間のうちに起きる見込みが半々になります。止水板や水のうは、こちらの数字に合わせて用意する道具です。
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よくある質問
- ハザードマップの想定最大規模は何年に1度の雨ですか
- 国土交通省の手引きでは、想定最大規模の降雨は年超過確率1/1000程度を目安にしています。1,000年ごとに必ず1回起きるという意味ではなく、毎年の発生確率が0.1%という意味です。
- 1000年に1度の雨は、30年以内に何%の確率で起きますか
- 毎年の確率を1/1000として30年分を計算すると、1−(1−1/1000)の30乗で約3.0%です。70年なら約6.8%です。計画規模の目安である1/100なら30年で約26.0%、70年で約50.5%になります(当サイトの計算)。
- ハザードマップの浸水深は、計画規模と想定最大規模のどちらを見ればよいですか
- 避難先や上の階の高さを決めるときは想定最大規模の浸水深を見ます。止水板や土のうなど、家の守りを考えるときは、頻度の高い計画規模の図も合わせて確認します。自治体によっては両方が公表されています。
関連する記事
出典
- 国土交通省「洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第4版)」(2017年10月)
- 国土交通省「中小河川洪水浸水想定区域図作成の手引き(第2版)」(2016年3月)
- 国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所「淀川洪水浸水想定区域」概要
- 確率の表は当サイトの計算です。詳しくは根拠ページ
最終更新:2026年10月21日